インド旅行記~7日目~バラナシ~火葬場

ガンジス川 インド
ガンジス川

母なる川ガンガー(Ganga)

バラナシと言えばガンガー(Ganga)・・・ガンジス川。
ヒンドゥー教の神聖な川であり、女神の名前でもある。
ガンガーで沐浴すればすべての罪が浄化されることになっている。
また、ヒンドゥー教徒は死んだ後に聖なる川に遺灰を流されることで輪廻転生のループから解脱し、ニルヴァーナ(涅槃)に行けると信じているため、死後川に流されることを最大の喜びとされる。
そのため、あまりお墓を作ったりはしないらしい。

生活のすべてに密接に関わっていて、人々は川の水を飲み水にもするし、歯を磨いたり身体を洗ったり洗濯したりもする。

ただ、雨季だからかわからないがどうみても茶色い泥水。こんな水に入るのは嫌だし洗濯をしようものなら逆に汚れることは間違いないだろう。それに日常の水浴びの横で死体が流れていくなんてあるある話をよく聞くものだ。実際火葬せずにそのまま流すのは、火葬費用が払えなかったり蛇の毒で死んだ人、妊婦や赤ちゃんなどに限り、水葬と呼ばれている。ちなみに日本では水葬は違法の扱いになる。

というわけで、火葬場は必見なので行くことにする。
だがその前に、やたら停電が多いので、宿を変えようと思う。
地球の歩き方や2ちゃんねるで話題になっていた久美子の家という日本人宿に行ってみたかったが、Sが反対したので、別の日本人向け宿と思われるFRIENDS GUEST HOUSEに決める。
(この時から20年経った今でも、両方存続しているようで驚いた。)

Sによると、久美子の家は沈没している日本人が多くいて皆ガンジャをやっているという情報をタイで聞いていたらしく、それで印象が良くないという。とは言え泊まってみたかったと今でも思う。

Wikipediaにも立派な記事や書籍もあり、もはや伝説の宿とされているようだ。

FRIENDS GUEST HOUSEの方は、インド人が家族経営しているゲストハウスだけど、オーナーが日本語を喋れるために、日本人がたくさん泊まっている。地球の歩き方にも記載されているし、信用できそうな宿だ。こちらは久美子の家と違って?マリファナ等のハッパの持ち込み・使用を固く禁じているという日本語の看板が立てかけられている。

部屋は非常に綺麗で宿を変更して良かったと思った。日本語の本や、日本人の旅人たちが残していった情報ノートなどが大量にあり、色々と勉強になる。しかしどれもこれも宿のことをべた褒め過ぎやしないかという内容となっている・・・。

休憩した後、周囲を散歩した際に、上下の服を購入する。
少しでもインドに馴染むため、Tシャツではなくインドっぽい布の服を購入する。

FRIENDS GUEST HOUSE

ゲストハウスへ帰ると、オーナーのラジャが、レモンチャイを出してくれる。めちゃくちゃ美味い。

少し休憩したらまた散歩に出かけてたが、またスコールが降りそそぎ、瞬く間に路地は水浸しになった。路地がちょっとした川になるレベルだが、雨は一瞬で止む。そういえば洗濯物を宿の屋上に干してきたな・・最悪だ。

水浸しになるバラナシの路地

そういえば、すっかり忘れていたが火葬場に行くのだった。
有名なのは、マニカルニカー・ガートで、宿からは徒歩15分程度北東へ行ったところらしい。

ガンジス川の火葬場

細く入り組んだ路地を歩いて火葬場を目指していると、相変わらずついてくる奴らが後を絶たない。二人組がしつこくついてくる。何やらガイドをしてやるだとか土産ものはどうだなどとお決まりのやつだ。適当にあしらっていてもこの細い路地だとなかなか引き離せない。

いっしょに歩く形になってから、勝手に語り始めた。
何やら解説しているようだが、道案内のような感じでもある。ハッパもあるぞとしつこい。
無視しながら火葬場を目指していると、突然立ちはだかりガイド料を払えととんでもないことを言い出した。こんな手があるのか。無論払う気など毛頭ないので消えろと言い放ってやった。

すると、男がバチーンと背中を叩いてきた。普通に暴力だろこれ。
こちらも声を張り上げて「Fuck you!!!」と叫んで威嚇すると、どこかへ行ってくれた。
この言葉は非常に汚い言葉だという話だが、人生で初めて使ったかもしれない。

川岸でたくさんの木を組んで燃やしている場所に来た。
オレンジ色の布に巻かれた死体らしきものが運び込まれてくる。

どうやら近づくためには小舟に乗る必要があるようだ。これも雨季だからか。
水位が上がってガートが埋もれているのかもしれない。

「お前ら向こうへ行きたいか?ならこれに乗るんだな」

仕方ないと乗りこむと、5mもないくらいの距離で降ろされる。
ここで50ルピーを請求される。そもそもこいつ、公共交通機関のような顔をしてきたが、全く無関係の人間かもしれないと気が付く。だが途中の島のようなポイントで降ろされたのでもう後には引けない。そして、お供えものをするための花を買えと促される。これと残りのボートによる渡し舟代でもう30ルピー取られる。やはりインド人は恐ろしい。

さて、火葬場では大きな竹竿を持った男が、薪をくべたり、火を調整し、死体をつついたりして燃やしている。たくさんの煙の奥で、メラメラとおばあさんが燃えているのが見えた。この辺りは撮影禁止らしい。パチンッと何かが弾ける音が時折響く。あまり近づくと危なそうだ。それにしてもこんなに間近に死体が燃えるのを見るのは当然初めてで、何とも言えない気持ちになる。24時間休みなく燃やしているとのことらしい。

当然、写真は厳禁だということで火葬場あたりの写真は残っていない。

おなじみの胡散臭いシャツ、シルクの服、スラックスを着たおっさんらがひたすらハッパはどうだと絡んでくる。すぐに絡んでくるのでゆっくり歩けない。

何とか振り切って宿に帰り、洗濯物を見に行ったがなくなっている。お母さん?が取り込んでくれていたようで、洗濯物を受け取った。やはりすぐには取り込めず雨にさらされたようで、生乾きで微妙な臭いを放っている・・・。やり直しか・・・。

 

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