インド旅行記~8日目~バラナシ~街ブラ

インド

インドに対して余裕が出てくる

しばらくバラナシに滞在していると、まあいいかなと道端で変なものを売り付けてくるインド人から笛を買ったりする余裕も出てくる。入り組んだ路地をぶらぶら散歩し、しょうもないインド人との絡みを楽しむことができるようになってくる。やっと楽しみ方がわかってきたかもしれない。

野良犬も下痢をしている。犬にとっても過酷な環境ということだ。
安宿街を離れると客引きはぐっと減る。心地よい。

FRIENDS GUEST HOUSEに連泊しながらそこで朝食や夕食を食べることもできた。
そういえば今日はネットカフェでインターネットをしていない。

めし、ひるね、さんぽ、めし。そんな感じ。
Sが体調を崩して寝ている間、一人で過ごす。

ガンガーのほとりでぼーっとしていたら、インド人の青年が話しかけてきた。
珍しく何を売りつけてくるわけでもなく何かを奨めてくるわけでもない様子。

しばらく話をしていると、年齢は23歳ということでほとんど変わらないことがわかる。どこから来たのか、どれくらいインドに居るのか、仕事など色々と聞いてきたがこれは単に興味があるのだろう。しばらく会話した後、いいところがあるから来ないかという話になった。

ロマサガ理論に従って、警戒しつつこの状況を楽しむことにした。
ロマサガ理論は自分が勝手に作った理論なので別途説明するが、簡潔に言ってしまうと、偶発的に起こるイベントに対して避けたりせず、可能な限り参加するというポリシーである。

ついて行くと、川沿いのすぐ近くにあったそこは、この青年の家らしきところの一部のようだ。小さなサイロのような一室で、そこに地べたに座らされる。どう考えても怪しいし、連れを置いて一人でこのようなことになっている。普通じゃないだろう。しかし好奇心が止まらず何が起こるのかをワクワクしてしまっている悪い癖だ。

壁に飾ってある大きな絵の人物を指して、知っているかと尋ねてきた。
むろん知らないので正直にそう答えると教えてくれた。

サイババだよ」

知らないことを咎める様子もなく普通に教えてくれた。

サイババ・・・」

自分の知っているサイババと違う。
サイババと言えば手から白い粉を出す胡散臭いアフロのおっさんだ。
アレも聖者だったのかもしれないが確かタネがバレてある種のマジシャンだった認識だ。
いずれにせよそのサイババとは全く関係ないのか少しは関係あるのかもわからない。

そして、そのサイババさんがいかに素晴らしいかの話が始まった。

後から調べたところによると、このときの人物はおそらくシルディ・サイ・ババという人物で、ヒンドゥー教とイスラム教の両方から聖者として崇められている偉大な人物のようであった。

話を合わせて聞いていると、熱が入ってきたのか後10分で素晴らしい誰かが来るから待とうという流れになった。誰なのかよくわからないが、何となく状況的にアムウェイなどのMLMの勧誘で「尊敬する先輩が来るから話を聞いてほしい」というシチュエーションに似ているなと感じた。

英語力が乏しいせいか、誰が来るのかよくわからないが、何となくこのまま居続けない方がよいと思い、「もうそろそろ帰らなければ」と伝えてその場を脱出する。

一旦宿に戻ると、Sは起きていて街をブラブラ散歩に行くことになった。

道沿いの雑貨屋でミロの粉を発見。日本では最近見なくなっていたので非常に懐かしい。

ちょっと興味があったが、ミロを溶かすミルクや水に不安があるので買いはしないけど。

日常として変わらないガンガーの風景

ガンガーの畔でたたずんみると、日常生活が垣間見える。
歯を磨く人の話を前回書いたが、なぜか手で磨いていたりするし、意味不明だが生命力を感じる。泥水で洗って余計に汚くなる気もする洗濯物もそうだ。

ぼーっとしていると、小さな女の子が横にいた。

おもむろにデコにタッチされたかと思えば、何か赤い点のようなものをつけられたようだ。

そして掌を差し出して要求している。

「10ルピー」

はい出ました。勝手にサービスを実行して料金をせびる強引な手法。
こんな小さな女の子までもが・・・
しかしこれにも生命力を感じてしまう。

後から調べたところによると、この額の赤い点はヒンドゥー教の儀式でつける祝福を表すありがたい印のようだ。ティカ(Tikka)とかビンドゥ(Bndi)というらしい。
女性がつけているイメージがあるが男性もつけることがあるとのこと。
なんとか2ルピーに負けてもらったが何ともたくましいことである。

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