カンボジア旅行記~2日目~アンコール・ワット

カンボジア
Angkor Wat 4

 

アンコール・ワット遺跡群を巡る

アンコール・ワット(Angkor Wat)の歴史

アンコール・ワット(Angkor Wat)は、ユネスコ世界遺産にもなっている巨大寺院である。
クメール語で”アンコール”は王都、”ワット”は寺院を意味する。
元々ヒンドゥー教の寺院として建設されたが、16世紀頃に仏教寺院に改修されており、世界三大仏教遺跡の1つとされている。

9世紀~15世紀頃にクメール帝国(アンコール王朝)が君臨し、シェムリアップ周辺をアンコール王都として構えていたが、王朝滅亡とともにアンコール・ワットは一旦ジャングルの中に放置され、19世紀にフランス人により樹海に埋もれた遺跡群として発見されたようである。

とても素晴らしい遺跡だが、1972年のカンボジア内戦が勃発し、ポル・ポトが率いるクメール・ルージュによってアンコール・ワットは破壊され、例えば仏像の首はことごとく刎ねられている。

また、近年では乾湿の繰り返しによりアンコール・ワットを構成する石材の風化破壊が危惧されている。(下記写真はフリー素材より)

アンコールパスの入手

せっかくのドミトリー。他の旅行者と会話して、アンコール・ワットを巡る上でのアドバイスを頂く。もちろん宿のスタッフに聞く情報も間違いなく有用だ。

まず、アンコール・ワット寺院を中心としてこの辺りの遺跡群を巡るのはちょうど3日間くらいがよいようで、アンコールパスと呼ばれる3日間巡り放題のパスポートが存在するらしい。
巡り放題の期間は3日間以外にも選べ数か月の長期間のものもあるとのこと。

パス有効期間 料金 3か月以上のビザ
1日券 $37(US) 不要
3日券 $62(US) 不要
7日券 $72(US) 不要
1か月券 $100(US) 必要
3か月券 $150(US) 必要
6か月券 $200(US) 必要

パスポートチケットはアンコール遺跡群チケット販売所にて購入可能になっている。
アンコール・ワットから7kmほど南にある。

営業時間は、5:00~17:30だが、翌日以降の購入する場合は、17時以降に購入が可能になる。
つまりほとんどの場合は、当日早朝に買うことになるだろう。

自分は5時起きでバイクタクシーをチャーターしてアンコール・ワットをまわる作戦とした。
他にもトゥクトゥク、カーチャーター、レンタサイクルなどの手段があるが、1人ということもあり、圧倒的にバイクタクシーのコスパがよかった。手配は宿の人に頼めば簡単にやってくれる。これはどの宿に泊まってもやってくれるであろう。

朝5時は流石に暗く、日の出前だった。
チケットオフィスでの手続きはあっけなく終わり、できあがったアンコールパス(3日券)はこんな感じ。(当時はUS$40だった)

THREE DAY PASS

そして、ついに到着。まだ日の出前のため暗くてよくわからない。

Angkor Wat at dawn

やうやう白くなりゆくアンコール・ワット!

Angkor Wat at dawn 2

早朝は中に入れなかったのか忘れたが、完全に夜が明けるまで遠巻きから眺めたり外堀をウロウロする。

Angkor Wat

ここまで明るくなると、アンコール・ワットの質感まで見て取れるようになってきた。

Angkor Wat 2

正面に回ってみたり。

Angkor Wat 4

水面に映るアンコール・ワットを堪能してみたり。
水面に映る富士山が逆さ富士とか言われるように、逆さアンコールなどと言われたりもするようだ。

アンコール・ワットを構成するエリアとしては、参道・第一回廊・十字回廊・第二回廊・第三回廊(中央祠堂)に分けられる。

中は風通りがよくて涼しいが、薄暗く仄かに小便臭い。何というかアンモニア臭というべきか。
これはコウモリの糞尿が原因と思われる。

石造りで廃虚のような雰囲気が漂う。周囲はジャングルが残っている。

写真ではわかりづらいけど随所にある階段は急で、高低差が結構怖い。

Angkor Wat 7

これが前述の風化破壊なのかわからないが、柱の1本がやせ細って今にも折れそう。

Angkor Wat 8

壁面には美しいレリーフが残っていて、インドのヒンドゥー叙事詩が題材となっている。
北側には、ラーマーヤナ物語、南側にはマハーバーラタ物語が描かれている。
上の写真は、第一回廊にある乳海攪拌というレリーフで、全長49mにもなる。

Angkor Wat 9

Angkor Wat 10

壁に触れないよう柵が立てられている。

Angkor Wat 10

これは江戸時代に日本から訪れた武士、森本一房(森本右近太夫)が書き残した墨書である。
彼はここ、アンコール・ワットを祇園精舎と信じていたらしい。(実際はインドにある)
ガイドブックには昔の日本人の落書きとされているが・・・仏教関連の文字が書かれていたようだが、黒い墨消しは後にポル・ポト政権により塗りつぶされたものらしい。
場所としては、十字回廊の列柱になる。

ここらで一旦、タケオ ゲストハウスに戻って昼食にした。
タケオ ゲストハウスはレストランもやっていて、そこで地鶏のから揚げ定食を注文した。
注文を聞いてくれたスタッフの女の子が、

「はいです」

って言うのがとても可愛い。

そして・・・

から揚げがめちゃくちゃ美味い!!!
これが地鶏のポテンシャルというものか。
信じられないほど美味しくてブロイラーの味に慣れ切った自分としては、その触感や味の差に愕然とする。まさかから揚げでここまで感動するとは思わなかった。(何故か写真を撮っていない)

Angkor Balloon

通りがかりの思い付きだったか、まず午後イチで気球に乗った。
気球と言ってもワイヤーで繋がれているタイプのもので、上空からアンコール遺跡群を一望できる。高度は120m程とあまり高くまでは行かず、10分程で降りてくる。料金は旅行者の場合$20になる。

公式サイトは消滅しているので、TwitterとFacebookアカウントを載せておく。

これらは浮上前にゴンドラから撮った気球の写真と上空から撮影した写真。
アンコール・ワットまでは800mくらいの距離になる。

BALLOON

アンコール・トムを中心とした遺跡群

アンコール・トム(Angkor Thom)

アンコール・ワットの北側に、アンコール・トム(Angkor Thom)と呼ばれる遺跡群があり、こちらも世界遺産に登録されている。

前述の通り”アンコール”は王都を意味するが、”トム”は、クメール語で大きいという意味になる。
一辺が3kmの城壁に囲まれていて、中央にはバイヨンという寺院がある。

城壁西側には西門、北には北門、南には南大門があるのに、東には東門ではなく勝利門死者の門が存在する。

Angkor Thom

Angkor Thom

大きな顔面が掘り出されていてとってもCOOL!
裏側は石壁を木材で支えて補強している箇所も多数見られた。

象のテラス

こちらは象のテラスを呼ばれるところで、三つ首の象神エラワンが蓮の花を長い鼻でつかむ様子が表現されている。

バンテアイ・クデイ(Banteay Kdei)

バイヨン形式のクメール建築で、これもアンコール・ワットと同様にヒンドゥーから仏教寺院へと改宗のため改修されており、裁判・判決の砦という意味の名称のため、司法機関だったと推察される。

Banteay Kdei

スラ・スラン(Srah Srang)

バンテアイ・クデイ(Banteay Kdei)の正面にある人造湖。
東西700m、南北300m。王と王妃が沐浴したとされ、聖池となっている。

Srah Srang

プラサット・クラヴァン(Prasat Kravan)

5つの祠堂で構成されるヒンドゥー神殿で赤茶色のレンガ造りとなっている。
ヴィシュヌ神ラクシュミー神の彫刻が彫り込まれている。

プリヤ・カーン (Preah Khan)

聖なる剣を意味する名称。一旦仏教寺院となったが、後の13世紀頃、ヒンドゥー教を信じる王によって仏像等々破壊された。現在は仏教がカンボジア国教ということもあり仏教僧が祈祷を行う。

Preah Khan

Preah Khan 2

西塔門脇には、鳥神ガルーダのレリーフがある。

Garuḍa

ニャック・ポアン(Neak Pean)

ニャック・ポアンとは、絡み合う蛇の意味で、本来なら水で満たされているのだが、乾期のため干上がってしまっている。(下記写真はフリー素材より)

Neak Pean

タ・ソム(Ta Som)

ニャック・ポアン(Neak Pean)のすぐ東隣に位置する仏教寺院。
何と言っても東塔門の絞め殺しの木が有名である。

絞め殺しの木

その名の通り、木が遺跡に絡みつくように成長し、絞め殺さんばかりである。

プレ・ループ(Pre Rup)

こちらは、アンコール・ワットができるより150年も前に建設されたピラミッド式のヒンドゥー教寺院で、プレは変化、ループは身体を意味する言葉で、火葬場でもあったようだ。
高さがあるため、ジャングルに沈む夕日の絶景スポットとしても有名になっている。
また、世界文化遺産にも登録されている。

ここまですごく天気に恵まれていたが、ここで土砂降りに見舞われ夕日どころではなかった。

タ・プローム(Ta Prohm)

こちらは、12世紀末頃に仏教寺院として建設され、後にヒンドゥー寺院に改修されたという逆パターン。映画トゥーム・レイダートゥー・ブラザーズのロケ地として有名。

Ta Prohm

宇宙から来たエイリアンに取り込まれているかのような芸術的な絡みつきっぷり。傘は持っていなかったが、レインウェアが売られていたのでそれを購入するも太刀打ちできない。

呆然としているとすぐに止んだ。
ここらが熱帯雨林気候って感じでアッサリしている。

Ta Prohm 2

以上、アンコール・ワットとアンコール・トムを始めとするアンコール遺跡群の観光完了。

宿のメンバーで飲みに行く

宿に戻ると、日本人旅行者が何人かいて話をした。
ドミトリーに日本人も増えていたが、他に個室に泊っている人がフロアに出てきていた。
昔よく貧乏旅行をしていたが、社会人にもなったのでドミトリーではなく個室を取っているそうだけど、やっぱり人との交流したくてうずうずしていたらしい。

この人はアンコール遺跡をチャリで周ったらしく、恐ろしいほどに日焼けしていた。
人生初めて見るくらい見事な”ポッキー焼け”だった。(日焼けした部分だけ真っ黒)
日中はめちゃくちゃ暑くチャリで周るのは自殺行為だと教えてくれた。

夜飯は宿のメンバー4人で飲みに行く。GWというのもあってか、意外にも社会人ばかりだった。
めちゃくちゃ飲み食いしたかと思ったが、$6にしかならなかった!
まあ宿代が$2だからなぁ・・・。

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