深夜のチェックイン
22時半頃にはチューリッヒに到着したが、なんだかんだで空港を出発できたのは到着後約1時間後だった。夜に新しい街をうろつくのは嫌だが、宿の予約はすでにしてあるので安心だ。
目指すはチューリッヒ中央駅近くの”Hostal La Flor“というゲストハウスだ。
1泊 CHF 50 ¥5703 おそらくチューリッヒ最安値の宿である。
チューリッヒ空港からチューリッヒ中央駅まではたった10分強だ。上海観光、飛行機泊、パリ観光と弾丸旅行の旅疲れが蓄積して一刻も早く横になって眠りたい。
しかしフル装備の荷物を引きずって寒い中宿まで行かなければならない。そう、外気温は12℃程度と結構寒い。人はまあまあ歩いているので幸い危険な雰囲気はしなかったが、夜の街を用心しながら15分程度歩いてようやく宿周辺まで辿り着いた。
オフラインで使える地図アプリの”Maps.me“を駆使して探すも、なかなか宿が見つからないのでレストランのような建物の外で煙草を吸っている人に聞いたら、柵越しにたぶんココだと思うと言って中に入れてくれた。
1階ではお酒を飲んで騒いている人たちがいた。結構な音量で音楽が流れている。PUBのようだったが、宿はここで正解だったようで、すり抜けるように2階にあがるよう男性スタッフに案内される。暗い屋根裏のような部屋。北海道で泊まったライダーズハウスを思い出す。
荷物を降ろすや否や、記帳しながら注意事項の応酬を受ける。
- すぐにシャワーしろ
- シャワーは5分以内にしろ
- キッチンへは入るな
- 灯りは最小限にしろ
- 音を出すな
「音を出すな!?こんなに爆音なのに!?」と思わずツッコミを入れてしまった。
さらに今すぐ現金で宿代を払えと言ってきた。カードが使えないのは想定外だ。
ないものはないので、翌朝の支払いにさせてほしいとお願いした。
それは了承されたが、さっさと寝ろという雰囲気が出ていた。他の人は外に出ているのかほとんど見当たらなかった。暗くて寝ているのが見えないだけかもしれないが。
とりあえず服を脱ぎ捨てシャワールームに駆け込んだ。
お、お湯!!わーい!!
身体にしみわたるありがたみ。
シャンプーをシャカシャカやっているうちに様子が急変した。
あれ?なんかぬるい?あれ?
冷たっ!!!
もうお湯終わり?
1分程度でお湯は水へと変わっていた。これがシャワーは5分以内にしろという意味だったのか。ただケチなだけではなかったのだ。寒い寒い寒い!!!
その夜はヒートテックを二枚重ねにしてアウターを着つつ、ずっと洗ったり干したりしてなさそうな汚めの布団にまるまって、音楽が響く中震えながら眠りについた。
それでも今までの機中泊に比べたらぜんぜんマシなので、ぐっすり眠れてしまった。