ロシアでiPhoneを紛失した話

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携帯が失くなる予感

モスクワ最終日、ドモジェドヴォ(Domodedovo)空港へ向かうタクシーの中のこと。連日の寝不足から何度も寝落ちしてしまっていた。起きた瞬間にふと”携帯がないかもしれない”と思い、ポケットを探ったらiPhoneの存在を確認できた。

この時しみじみとiPhoneがあってよかったと思ったのだが、これが最後の確認になるとは流石に予想できなかった。今思えばこのしみじみ感が前フリだったのかもという気もするけど…。

その後車内が非常に暑くなっていたので上着を脱いで足元に置いた。何故足元だったかというと、3列シートの車につめつめに乗っていたからでそうしたのも無理はなかった。

紛失を認めるまで

空港に着いたぞと起こされた瞬間、慌てて降車した。上着を手に掴んだまま降りた後、上着を着ながらバックパックを背負いつつ、タクシーが走り去っていくのを見送った。

そこから建物に入るまでの間の道で、あるはずのズボンポケットの中にiPhoneがないことに気が付く。それでも2つあるうちのどちらかの上着のポケットにあるだろうと考え、歩きながら全てのポケットを探していくが見つからない。

鼓動が早くなっていく。

建物の入口でリュックを置いて本格的に探すが見つからない。

まずい!!!タクシーの中か!!??

まずは直ちにタクシードライバーと連絡を取らねばならない。
でもどうやって!?連れに聞いてもタクシーと連絡が取れるわけなんてないと。
この状況、かなりまずい。なぜならもうフライトの3時間前を切っているからだ。
連れの中にタクシーを手配した人の連絡先を知っていたのですぐに連絡してもらう。

出ない。こんな時に出ない・・・・

気が気でないため、迷惑だとは思うが、数分ごとに携帯を借りて電話をする。

15分後くらいにやっと繋がり、タクシードライバーと連絡が取れたら折り返してくれることになった。シート3列目の一番左の座席周辺を見てほしいと伝えて探してもらうよう依頼した。

緊迫の伝言ゲーム

5分後に折り返しかかってきたが、パッと見た感じ、ないという返答であった。パッと見ではなく徹底的に調べたいのでお金を払うから空港まで戻ってほしいとお願いできないか伝えてみたが、既に次のお客さんのオーダーがあるから不可能だという返事があった。

本当にタクシーの中にないのか、そんなバカな・・・降車後空港入口までの道でスラれた可能性もゼロではない。誰とも話していないし不審な人物と接触した憶えもない。

この時点で、例え携帯が見つかったとしてもロシア滞在中に回収できる見込みはなくなった。業務終了後にもう一度チェックしてその結果を連絡してほしいということだけ伝えて絶望的な気分のままチェックインした。

“iPhoneを探す”はどうだ?

出発ロビーに入ってから“iPhoneを探す”の機能が使えるか試す余地があることに気がつく。GPSだけでデバイスを捉えるのなら検出できるかもしれない。

またまた申し訳ないと思いながらも同行者のポケットWi-Fiを借りて手持ちのラップトップPCを起動した。

しかし残念ながらiPhoneはGPS受信だけではダメでオンラインである必要があった…。今回のロシア滞在は約5日間のみであり、ほぼWi-Fiのある1か所の建物に滞在していたため現地のSimに差し替えておらずオフラインのままになっているのだ。

もうやれることは全てやった・・・帰国後にiPhoneが見つかればよいが、そのハッピーケースでさえしばらく日常で携帯無しという地獄を味わうことになる。もう携帯の回収は諦めて、前の状態にどうやって復元できるかについて意識を向けていくの方が賢明だ。

バックアップは取っていたか!?

思えばこのところバックアップを取った覚えがない。最後に取ったのがいつだか思いだすことに集中してみたが、iCloudへのバックアップがしばらくされていないというアラートがうるさいのでそれをOFFにしたことくらいしか思い出せない。つまり絶望的だ。数か月前に戻ってしまう可能性が高まってきた。

食べ物も喉を通らずしばらく放心状態だった。機内でうなだれていたのをCAに発見され、体調不良との判断で強制的にCAエリアに連れていかれてしまう・・・

そんなことにもありながら空の旅は続く。17:15モスクワ発のフライトで、翌朝8:35成田空港に到着となった。このまま帰宅した瞬間午後出社するというハードプランだったが、Apple StoreでiPhoneを買うチャンスは今しかないかもしれない。

Apple Storeへ直行

成田エクスプレスで新宿まで向かい、Apple Storeに駆け込んだ。あと2日後にはiPhone11が出るというタイミングである。2日待てばいいかというとそういうわけでもない。予約殺到のため2,3週間待ちになってしまうとのこと。そんなに携帯無しの生活は成り立たないので今iPhoneXなりを買うしかない。「iPhone11が出るのでお安くなっていますよ!」と言うので価格表を見せてもらったが、たった1万円程度しか違わない。しかし選択肢がないのでiPhoneXSの256GBを購入することを決意する。

SIMカードの再発行

購入したはいいが、SIMカードがなくては魂が吹き込まれない。SIMカードごと紛失しているため新たに入手する必要がある。近くのLINEモバイルを調べて駆け込んだ。

そこで告げられたのは残念なお知らせ。再発行は最短でも2営業日かかるということである。もちろん同じ電話番号を利用したいので待つしかなかった。

一筋縄ではいかない状況のため、午後出社は諦めて携帯のトラブル発生ということで突発で仕事を休む連絡をする。

復元までの道のり

帰宅後、1か月半前にiTunesにフルバックアップしていたことを発見する。予想していたより軽傷だったが、復元してみて致命的な事態に気づく。LINEのログが復元されていないのである。調べてみたらなんとLINEのログ(トーク履歴)はiTunesのフルバックアップに含まれないようだ。しかしLINEアプリとしてバックアップされているサイズを見るにデータとしてはログが含まれている気がしてならなかった。今までも機種変更をしたときにLINE独自のバックアップを使った覚えもないのでその疑いは強まった。(独自のバックアップを意識しなくても引き継げるのは正規の手順で引継ぎ手続きをした場合に限ることが後の調査でわかった)

調べてみると、iTunesのバックアップからLINEログを抽出するサードパーティソフトがあるようだった。やはりデータとしては存在するのだ!

色々比較検討してみた結果、PhoneRescueというソフトウェアをインストールしてみた。

PhoneRescueを試す

PhoneRescue
https://www.imobie.jp/phonerescue/download.htm

PhoneRescueに期待するのはiTunesバックアップから復元という機能だ。このアプリは復元機能は有料ラインセンスが必要になるが、どのようなデータを復旧できるか検索するところまでは無料の体験版で試せるところがよい。

しかしLINEトーク履歴が検出されなかったのでライセンスを購入しても無駄なことがわかってしまった。iCoundのバックアップからも何もヒットしなかった。こちらは日本出国前に自動的に取れていたが、無料プランの5GB上限のためバックアップ対象がほとんど選択されていないという残念な内容になっている。(それでもLINEだけはONにしていたはずだが)

UltDataを試す

UltData
https://www.tenorshare.jp/guide/iphone-data-recovery.html

UltDataに期待するのは同じくiTunesバックアップから復元とiCoundのバックアップ復元の機能だが、こちらも抽出できるかどうかは体験版にて確認可能。復元する際には製品版の有料ライセンスが必要になるようだ。

こちらのソフトではiTunesのバックアップからLINEトーク履歴の存在が浮き彫りになった。

あるではないか!!

あるのなら有料プランの製品版をインストールし、とっととデータを回収しようと決めた。

やってみてわかったことは、確かにLINEトーク履歴を抽出できはしたが、テキスト形式やExcdel形式でしかエクスポートできない。これはiPhone端末にログを復元できないことを意味する。イマイチである。更にイマイチなのが、ログ全体が1ファイルになることだ。輪をかけてイマイチなのが、エクセル形式はエクセル形式でも今時古いxlsであることだ。そのため行数が65536行が最大になり、それ以上の情報は捨てられる。

ガッカリである。

ダメ元でロシアに再度問い合わせ

ダメで元々、モスクワのタクシー会社にメールしてみたが、やはり見つからないという返信が返ってきた。もう1つ、ドモジェドボ空港のLost & Found窓口にもメールしてみた。タクシーの中というケースを除くと紛失は赤丸の範囲という極々限られた範囲になる。

そうすると、白いiPhoneならありますがと回答が返ってきた。

「いいえ、私が失くしたのは黒いiPhoneです・・・」

「あなたは正直者ですね。ご褒美にこの白いiPhoneを・・・」とは当然ならない。

iOSのバージョンは新しいか!?

その出来事があってから2週間後、思わぬところから新たな情報を得た。iPhoneを初期化してからバックアップを復元する前に、iOSのバージョンを最新にするのである。ログが入ってこない原因として、失くした時点の端末のiOSバージョンより復元時のバージョンが古いためトーク履歴が読めないという説である。確かに失くす直前のiPhoneはiOSが最新版だったので、工場出荷時のiPhoneXSより新しい可能性が高い。

ということで、またまたiPhoneを初期化してから、バックアップを復元する前にiOSを最新にしてみた。そしてバックアップから復元!

すると、何とバックアップ時までのLINEトーク履歴が復活しているではないか!!
当然ロシア滞在期間のログは含まれていないが、数日間ならサーバに残っていて自動追加でマージできそうな気がした。

暗号化されていて読めない

ロシア滞在期間のログは次々とダウンロードされて入ってきたが、メッセージが以下のようになっていて読めない。

「Letter Sealing メッセージが複合されていない可能性があるため表示できません。」

LINEにはLetter Sealingというメッセージの暗号化機能がある。これは送信者と受信者以外はメッセージ内容を解読できないように保護されている。例えサーバ上でメッセージを盗み見ようとしても、通信内容を傍受したとしても読むことはできないようにセキュリティが保証されているということになる。

今回盗難にあったiPhoneとは別のiPhoneで、正規の引継ぎ手続き(旧端末を操作してのLINEアカウントの引継ぎ操作)ができないまま機種変更する形となったため、サーバに残っていたログに対しては別端末扱いになり、複合できなくなっていると思われる。

上記メッセージが出た場合の対処法がネットに上がっていたが、何をやってもダメだった。

送信者、受信者それぞれが一度Letter Sealingの設定をそれぞれでOFFにして、またONに戻すというもの。ON/OFFする順番を送信者、受信者入れ替えたりネットワークをON/OFFする順番を入れ替えたりと手を尽くしたが改善しなかった。

結局どうしたか

“過去数年分のLINEログを捨てて1か月半前のフルバックアップ状態に戻る”か、”写真やアプリデータはほぼほぼ消えてしまってLINEトーク履歴くらいしか復活しないが5日前の日本出国前の状態に戻る”かの2択ということになった。

後者を選んだ。

何でそんなにLINEログが大事なんだとまわりには言われたが、写真やメールはGmailやGooglePhotoなど別Cloudに保存されていたりするし、アカウントがあるようなアプリはログインすれば復元されるはずなのでなんだかんだである程度復元はできるという考えだ。LINEはプロフィール画像もニックネームも変動することがあるのでトーク履歴のログがないと誰だかわからなくなることがある。それで連絡が途切れるくらいならその程度の仲だという見方もあるが、やはりログ消去は痛手が大きい。

別の知人はPCだけで写真を管理していて、HDDが壊れて家族の写真にアクセスできなくなったのでデータレスキュー屋に20万円かけて復旧してもらったとか。その人にとっては写真の価値は少なくとも20万円以上あったということだ。人の価値観はこういうときに出てくるものだとうことがわかる。

今回の教訓

バックアップはマメに取ろう(最新のLINEアプリではトーク履歴の自動バックアップ機能が実装されている)
iCloudのバックアップはケチらず50GBプラン(130円/月)にしておこう
短期間でもSIMカードは有効なものに差し替えた方がよい

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